ここ数年でポップアップを積極的に導入するECサイトが増えました。ECサイトにおけるポップアップの使い方は多様であり、上手く使えばコンバージョン率や売上の増加に直結する一方、間違った使い方でユーザーの利便性や満足度を低下させてしまうこともあります。今回の記事ではポップアップを導入する際の効果的な使い方やそのポイント、メリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
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そもそもポップアップとは?
ポップアップとは、Webブラウザの画面上で自動的に別のウィンドウが立ち上がる仕組みのこと、または、そのようにして自動的に立ち上がったウィンドウのことである。
出典:Weblio辞典
イメージとしては モーダルウィンドウ に近いですが、こちらは ウィンドウ内で指定された操作を完了したり、キャンセル操作するまで他の画面にすることが出来ないウィンドウの事を指します。 ポップアップウィンドウはポップアップしている最中でも他のウィンドウを開くことが出来るという点が異なると言えるでしょう。
また、一口にポップアップといってもさまざまな種類があります。
Web接客ツール
「会員登録すると今だけポイント10倍!」「豪華ギフトキャンペーン!」など特定のキャンペーンに誘導するものや、指定の期間・時間内に特定の商品を安価で販売するタイムセールのようなものなど、Web接客ツールを導入することで表示されるものです。Web接客ツールの種類に応じて、ユーザーの訪問パターンや滞在時間に応じて任意のメッセージを出すなど様々な種類が存在します。
チャットサービス
こちらもWeb接客ツールによって実装されるもので、画面上にポップアップによるチャット画面が現れるというものです。リアルタイムで担当者がユーザーの対応をしたり、AIが自動でユーザーに接客をするというものもあります。
マガジン購読フォーム
Webマガジンサイトなどでよく見かけられる、サイトの記事の購読を促すフォームで、これもポップアップの一種と言えるでしょう。これらは許可することでマガジンで記事の更新された際にデバイス上へ通知が届くようになります。
オーバーレイ広告
ページのコンテンツの読み込みを行なった際に表示されるポップアップで、主にモバイル向けの広告として使用されるものです。画面全体に表示されるものや、ページの下部あるいは上部に固定で表示されるものがあり、ユーザーからはコンテンツ閲覧の邪魔という印象をもたれやすい広告であるため、デメリットの要素が大きいと言えるでしょう。
ポップアップ設置のメリット、デメリット
メリット
「ユーザーとリアルタイムでチャットのやり取りをする」「一定の金額を購入したらディスカウントバナーを表示する」「サイトの常連客やリピーターにはポイントやクーポンを表示する」といった、ウェブ接客ツールを導入することで行える施策はユーザー毎にデータを管理、対応が出来るため細かな接客を行うことが可能です。
また、マガジン購読フォームやメルマガ登録フォームなどはコンテンツに愛着があり、毎日訪れるようなユーザーにとっては非常に有益な機能といえるでしょう。
デメリット
サイトのデザインやUI上、必然性のあるポップアップであればユーザーは気に留めないかもしれませんが、コンテンツと関係ない広告が表示された場合にはユーザーはわずらわしいという印象を抱く可能性があります。それにSPデバイスの小さい画面上でもポップアップは画面いっぱいに広がってしまうため、やはりユーザーからは閲覧の邪魔であると思われてしまいます。
また、ポップアップ表示にはSEOへ悪影響を与える可能性があることが指摘されています。前述のオーバーレイ広告などのポップアップ広告が過度に表示されるサイトはgoogleのアルゴリズムに反するため、SEO評価が下がる可能性があるのです。
ポップアップは効果的なのか -まとめ-
前述の通り、ポップアップ表示にはメリットがある反面、デメリットもあり、SEOなどで悪い評価が下されてしまう可能性があります。ですが、全てのポップアップが一律で悪い評価になるわけではありません。Googleは、クッキーの使用確認や年齢制限確認のポップアップ、スクリーンサイズに対して合理的な大きさで表示するバナーはチェック対象にならないとしており、設置の仕方に気をつけて使用すればSEOに影響は出ないのです。
ユーザーの満足度、利便性、行動などを細かに把握し、適切なポップアップの使い方ができればサイトの離脱を防止するだけでなく、新規顧客の獲得、コンバージョン率を向上させていくことができます。そのポップアップが好ましいと感じるユーザーもいれば、あざといと感じて煙たがるユーザーもいるので、それぞれのユーザー層に適したツールの使い方とアプローチが求められます。