CMSの機能検証!Movable Typeでできることをまとめてみた

CMSは、「コンテンツ・マネジメント・システム」の略称で、WebサイトをhtmlやCSSなどの専門的な知識がなくても更新・管理ができるシステムのことを言います。実際にサイトに組み込むことで、業務の効率化やマニュアル化、それらに伴うコンテンツのクオリティ保持や更新速度の増加、さらには外注コストの削減というようなメリットが考えられます。

この記事では、日本国内で商用に使われることが多いMovable Type(ムーバブルタイプ)の仕様を検証してみたいと思います。

Movable Typeの仕様をWordPressと比較してみる

まず、CMSの中でもNo.1の知名度を誇るWordPressとMovable Typeを比較してその違いを見てみたいと思います。

WordPress Movable Type
ライセンス GPLライセンス(オープンソース) 有償(無償で使える個人無償ライセンスと開発者ライセンスあり)
サポート 公式サイト上にサポートフォーラムが存在、その他有償でサポートを請け負う企業が複数存在 ライセンス保持者向けにテクニカルサポートが存在
開発言語 PHP Perl
データベース MYSQL MySQL
プラグインの種類、数 55,000種類以上が存在 Movable Type Plugins and Themes Directory内で数百種類
テーマの種類、数 世界中で6000種類以上が存在 Movable Type Plugins and Themes Directory内で10数種類
コンテンツの生成 動的(プラグイン使用により静的も可) 基本は静的、動的も可

WordPress(以下WP)は、オープンソースソフトウェアであるために、個人や商用関係なく無料で利用することが可能です。そのため世界中のWebサイトの30%以上、CMS作られたWebサイトの約60%がWPを使用しているともいわれています。対してこの記事で解説するMovable Type(以下MT)は、商用で利用する場合には有償のものを利用する必要があるため、プラグインやテーマの数も少なく、検索した際に出てくる情報も古いものが多いです。

それでは実際に案件で使用するCMSは、MTよりもWPが選ぶことがベストなのでしょうか?

Movable TypeよりもWordPressを選ぶことが最適解なのか?

表題の疑問について、 結論から言うとケースバイケースであると言えるでしょう。

前述の通り、WPは無料で使用することができ、プラグイン、テーマ、ネット上の情報が豊富なため、個人でもサイト構築やカスタマイズを行いやすいというメリットがあります。
しかしその圧倒的な認知度のために虚弱性を狙った攻撃の標的になりやすいという問題もあり、実際に攻撃が行われた例も多数存在します。また、動的にコンテンツを生成する仕様であるため、静的サイトよりも一般的には表示速度が遅く、アクセス集中などが発生した場合にはさらに極端にページ読み込みが遅くなる可能性があります。
これらの「セキュリティ」や「速度」の問題は両方ともプラグインの導入などで解決することが可能ですが、プラグインを数多く入れすぎたためにやはり表示速度が遅くなるというようなジレンマも抱えており、やや上級者向けな面もあるといえます。

MTの場合は静的でコンテンツを生成するために、ページ読み込み速度は動的サイトに比べると早い場合が多く、有償であるためにセキュリティ対策をMTの運営元であるシックス・アパート社が対応してくれるという強みが存在します。
コストがかかるという点を差し引いても、これらのメリットはある程度の規模の企業向けサイトなどを構築する際には有効に働くのではないかと考えられます。

動的CMSと静的CMSの違い

Movable Type7 新機能「コンテンツタイプ」

ここからはMTの機能の説明をしていきます。

MTは2018年5月に最新バージョンであるMovable Type 7をリリースしており、このバージョンアップでは、「コンテンツタイプ」という機能が実装されています。
この機能は、サイト上の様々なコンテンツを細かく管理できるシステムであり、通常のブログCMSのように「ページ」「記事」単位で情報を登録するのではなく、「カテゴリ名」「店舗情報」「アイテム情報」などの細かい単位で情報を「コンテンツタイプ」として登録することができます。
「コンテンツタイプ」は複数の記事上で、あるいは同サイトの別コンテンツ上などの様々な箇所で繰り返し使うことができ、同じ情報を何度も登録する手間を省く事ができるため、情報設計を正しく行うことができれば非常に有用な機能であるといえるでしょう。

Data API機能を利用することによる柔軟性

また、MTにはMovable Type 6から「Data API」という機能が搭載されています。
この機能はREST/JSON方式で Movable Type にアクセスし、データの取得や更新ができる Web API であり、アプリの開発に活用したり、他のプラットフォームとの連携が行いやすくなります。

また、このData APIを活用すれば昨今Web業界でよく耳にするようになった「Headless CMS」のようにMTを扱うこともできます。
「Head」はVIEW(実際にユーザーが目にする画面)を指しますので、「Headless CMS」はいわゆるフロントエンドの領域が存在しない、APIを使ってコンテンツを提供するCMSと言うことが出来ると思います。
「Headless CMS」を利用することによるメリットは以下のようなものが考えられます。

・CMSによる制約がないためフロントエンド側での仕様やデザインの自由度が高まる
・様々なデバイスや環境へ向けてコンテンツを配信できる
・フロントエンドとバックエンドを完全に分離して開発出来る

逆にデメリットとしては、開発コスト、学習コストが高くなってしまうという点が挙げられますが、構築したいサイトの内容によっては十二分に魅力的な選択肢と言えるのではないでしょうか。

まとめ

これまでに挙げた機能の他にも。Movable Type 7からはブロックエディタ機能が搭載され、直感的に記事の登録が行えるなど、MTを提供しているシックス・アパート社の使いやすさを追及する努力が伺えます。
また、デメリットとして挙げられやすい商用ライセンスという点ですが、最安値で1月5000円から使用できるMovable Type クラウド版や、従量課金制であるMovable Type for AWSなど、状況や案件に応じて様々な選択肢があるのもポイントです。

近年、様々な機能を持った高性能な次世代CMSが存在していますが、それぞれの特徴を正しく捉えて最適なCMSを選択するのがプロジェクト成功の近道になる思います。その選択肢の1つにMovable Typeも加えてみてはいかがでしょうか。

最後に、トライムではMovable Typeを始めとした様々なCMSの構築を請け負っています。
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