今なお続く新型コロナウィルスの影響により、実店舗の縮小が余儀なくされています。
そんな中、トライムではオンライン接客の一つの手法として、これから定着する可能性が高いと考えられるライブコマースに着目しました。
ライブコマースは海外、主に中国などで主流となっているオンライン販売手法です。ユーザーとお店が動画を通じてリアルタイムにコミュニケーションができるという強みを持っています。
ですが、まだ日本では浸透しきっておらず、定番といえるツールも存在していない状況です。
その状況を踏まえ、ライブコマースのコンテンツのUI/UXの最善を検討してみました。
Contents
現行サービスを調べてみた
研究にあたり、現行でライブコマースが利用できるサービスの調査を実施しました。調査を実施したツールは下記です。
ONPAMALL
https://onpamall.com/
ONPAMALLは出店型ライブコマースプラットフォームです。
メディアサイトのような作りになっており、出店ショップごとに過去の放送のアーカイブと、商品の確認を行うことができます。
TAGsAPI
https://tagsapi.com/
TAGsAPIは、自社ECサイトで簡単にライブコマースを行うことができるようになるクラウドサービスです。
ONPAMALLと違い、企業が所有するECサイト上にライブコマース機能を追加することができるという点が特徴で
Live kit
https://livekit.jp/
Live kitもTAGsAPIと同様に自社で運用しているECサイトやWEBサイト上でライブ配信の実施を可能にするサービスです。
独自ドメインでの運用も可能で、URLの共有で閲覧でき、当然商品の購入や投げ銭といった機能も保持しているサービスです。
Bambuser
https://bambuser.com/
Bambuserはスウェーデンの会社で、モバイル向けのライブビデオストリーミング用のプラットフォームを提供しています。
TAGsAPIやLive kit同様の埋め込み型のサービスで、トライムでも案件で利用した実績があり、非常に高機能で使いやすいツールです。
ライブコマースにはどういう機能が実装されているべきか?
前項のツールの特徴を踏まえて、ライブコマースに必要な機能を検討してみました。
ライブコマースには最低現下記のような機能が必要と考えられます。
また、先程招待したどのサービスでも閲覧者側のUI自体に大きな差はない印象です。
- 動画配信機能
- チャット機能
- イイね(ハート)機能
- 商品購入導線
動画配信機能とチャット機能はライブコマースとしては最低限必須な機能で、InstagramやYou Tubeの形式がUIとしては一般に定着した印象があります。
イイね(ハート)機能は必須ではないかもしれませんが、インタラクティブなコミュニケーションを実現するために抑えておきたい機能です。
商品購入導線に関しては、ONPAMALLのようなサービスでは標準実装されていますが、TAGsAPIのような埋め込み型のサービスの実装時には要件に応じてカスタマイズが必要になる箇所です。
ライブコマースを通じて売上の上昇を図る場合には商品購入導線は軽視出来ない部分とも言えるでしょう。
その他、投げ銭やスタンプというような機能が実装されているサービスも存在しており、その辺りの足し引きは要望に応じて変わる部分と言えそうです。
デザインイメージの作成
ここまでの内容を踏まえ、ライブコマースのデザインイメージの作成を行ってみました。ECサイトへの掲載を想定したA案と、Instagram風のレイアウトのB案を作成しています。
A案では、一般的なECサイトの商品掲載スタイルを踏襲してデザインしました。紹介中の商品のハイライトやお気に入り商品への追加といった機能をデザイン中に含み、閲覧終了後に商品詳細ページへと移動させる、といった作りになっています。
B案では、Instagram風のレイアウト意識してデザインしました。アイテム一覧から商品の一覧へと移動して、サイズ・カラーを選択して直接カートへ追加できる形になっています。こちらは動画を閲覧しながら気に入った商品があればカートへすぐに追加できるようにすることを意識しました。
それぞれ社内で簡単な疑似ユーザーテストを行ったところ、それぞれ下記のような意見が出る結果となりました。
A案
- 一つ一つの商品画像が大きく表示されていて、ぱっと見で確認しやすい
- ライブ配信をチェックしたあと必ず商品詳細をチェックしてから購入したいので商品詳細へと移動するこちらの導線のほうがよい
B案
- 画面移動なく、開いている画面で完結できるので、使いやすい
- アイテム一覧から商品詳細ページに入らずにその場でカートに入れるボタンがあったが、ストレスなくすぐに購入できてよい
上記のメリットはそれぞれ相反した箇所に着目しており、どちらを選ぶかは目的によって変わると考えられます。
総括
Web制作会社として、ライブコマースのUIについて検討してみました。
やはりSP時の狭い画面内へどのように要素を配置するかがUI視点で観た際に非常に重要な点となります。
現状、どのサービスでもUIに大きい差はありませんが、要望に応じて優先すべき項目は変わってくるはずです。
トライムではお客様のご要望に応じてライブコマースの仕様策定と画面設計を行わせていただきます。興味のある方はお気軽にご相談ください!