
「メールの返信が面倒くさい…」「業務の中で一番時間が取られているのはメール対応」こう感じている方は多いのではないでしょうか?
今回紹介するのは、Zapierを使ってメールの返信業務を自動化し、負担を6割削減した事例です。実際に筆者もこの自動化を導入したところ、メール対応にかかる時間が体感で60%削減され、他の業務に集中できる時間が大幅に増えました!
本記事では、Gmail・Google Sheets・Slack・ChatGPTを連携し、ほぼノーコードでメール返信を自動化する方法を詳しく解説します。
Contents
Zapierとは?ノーコードで業務を自動化するツール
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Zapierは、異なるアプリを連携させて、業務を自動化できるノーコードツールです。
例えば、以下のような業務を自動化できます。
- メール管理・自動化
Gmail・Outlookの自動返信
添付ファイルの自動保存
重要メールをSlackやTeamsに通知 - データ管理・Google Sheets自動化
Google Sheets・Excelの自動更新
データのフィルタリング&整理
スプレッドシート更新時の通知 - チャット&SNS運用
SNSの自動投稿(Instagram, Facebook)
カスタマー対応の自動化
新しいフォロワーやメンションの通知 - 業務プロセスの自動化
タスク管理ツールとの連携(Trello・Notion・Asana)
営業リストの自動更新(CRM)
会議スケジュールの自動登録(Google Calendar) - セキュリティ・IT運用
パスワード管理&アカウント作成の自動化
システム監視&アラート通知
不正アクセスの検知&対応 - ECサイト運営&マーケティング
ECサイトの注文処理自動化(Shopify・BASE)
カート放棄リマインダーを自動送信
レビュー・アンケートの自動収集 - AI活用・自動化の高度な活用
ChatGPTやCopilot365を活用した業務効率化
カスタマーサポートの自動化
ビジネス分析&レポート作成
特に繰り返し発生する業務には最適なツールです!
※英語サイトですが更新する部分は一部なのでご安心ください。
今回のZap(自動化フロー)の概要
普段からメールを使ったコミュニケーションを行っていると思いますので、今回はメール文章の自動作成+通知を作成いたします。Zapierのワークフローは以下の通りです。
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- Gmailの受信トリガー(新しい添付ファイルを検出)
- フィルター処理(特定のキーワードが含まれるメールのみを対象)
- フォーマット処理(HTMLタグの削除・改行の整理)
- ChatGPTまたはCopilot365によるメール返信の自動生成
- ChatGPTまたはCopilot365による要約生成
- Google Sheetsへのデータ保存
- Slackへの通知送信
このフローにより、メール対応にかかる時間を大幅に短縮できます。
1. Gmailで新しい添付ファイルをトリガーにする
まず、Zapierのトリガーとして「Gmailで新しい添付ファイルを受信したとき」を設定します。
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この設定により、メールの受信トレイ(INBOX)内の新規メールで添付ファイルが含まれるものが検出されると、Zapierが自動的に処理を開始します。
2. フィルター処理で対象メールを絞り込む
すべてのメールを処理するのではなく、特定のキーワードが含まれるメールのみを対象にするため、フィルター条件を設定します。
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今回の例では、「遠山」というワードを本文に含むメールのみを対象としています。これにより、勝手に送られてくるメールマガジンや見なくても良いメーリングリストなど不要なメールが処理されることを防ぎます。
もちろん添付フォルダの有り無しや特定の方からのアドレスなど自由なフィルター処理が可能です。
3. フォーマット処理(HTMLタグ削除・改行・特殊文字の置換)
メールの本文はHTML形式で送られることが多いため、「Formatter by Zapier」を使用して、テキストを整理します。

また、改行コードを統一する処理も行い、ChatGPTが処理しやすい形に整えます。ZapierからChatGPTのAPIに接続する際、JSON判定が結構しっかりしており、様々なフォーマットでメールが来る際は「Code by Zapier」を使用してPythonでの正規表現で改行を含む特殊文字を置換を行うのがベターになります。
4. ChatGPTでメール返信を自動生成
受信したメールに対する返信をChatGPTに自動生成させます。ZapierのWebhook機能を使い、ChatGPT APIにリクエストを送信します。
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リクエストデータには、「受信したメールの内容」を基に「フォーマルな返信文」を作成するよう指示しています。今回はシンプルなプロンプトにしていますが、お好きなようにカスタマイズしてください!相手の要求を受け入れるパターンとお断りするパターンなどもプロンプトの指示で作成できますので実際の利用ではとても重宝されます。
{ "model": "gpt-4o", "messages": [ { "role": "system", "content": "You are a helpful assistant." }, { "role": "user", "content": "以下のメールに対するフォーマルな返信の本文を記入してください。\n\nメール本文:\n{メール文章}}" } ] }
この設定により、正確かつ適切な返信文が自動作成されます。
※contentに改行をいれるとJSONファイルとして認識されませんのでご注意ください。
5. ChatGPTでメールの要約を生成
同じくChatGPTを利用し、メールの要約も自動生成します。要約の長さは100文字以内に設定し、シンプルに重要な情報を抽出します。

6. Google Sheetsにデータを記録
作成した返信文と要約をGoogle Sheetsに記録し、後から確認できるようにします。

これにより、処理したメールの履歴が一元管理でき、後で検索・参照が可能になります。
7. Slackに通知を送る
最後に、処理されたメールの情報をSlackに通知します。これにより、関係者が即座に内容を確認できるようになります。

通知メッセージには、メールの件名・要約・返信文を含め、必要な情報がすぐに分かるようにしました。
ChatGPT接続時の注意点と費用
今回ChatGPTにWebhooks経由で連携したのには理由がありZapierの標準機能ではGPT-3.5しか使用できず、GPT-4が選択できないため、Webhooksを経由してAPIリクエストを送る必要がありました。
実際にZapierの標準機能でGPT-3.5を使用した場合、文字化けが発生し使い物になりませんでした。

このような問題を回避するため、Webhooksを使ってGPT-4に直接アクセスしています。また、Copilot365やClaude、Geminiなど他のAIを活用することも可能です。
月額の運用費について
通常業務に利用しているGoogle Workspace、Slackは含めませんが、Zapierが月額$19.99、GPT-4(従量課金)がまぁまぁ使ったとしても月額$10.00程度になります。費用を抑えて運用したい場合は2.フィルター処理で対象メールを絞り込むの部分で制御するかGPT-4o miniを利用してください。miniでも十分運用可能です。
1000通要約あたりのコスト計算
GPT-4oのAPI利用料金(2024年時点)
入力:$5.00 / 1Mトークン 出力:$15.00 / 1Mトークン
入力コスト:500,000トークン ÷ 1M × $5.00 = $2.50
出力コスト:400,000トークン ÷ 1M × $15.00 = $6.00
合計コスト:$2.50 + $6.00 = $8.50
GPT-4o miniのAPI利用料金(2024年時点)
入力:$0.15 / 1Mトークン 出力:$0.60 / 1Mトークン
入力コスト:500,000トークン ÷ 1M × $0.15 = $0.07
出力コスト:400,000トークン ÷ 1M × $0.60 = $0.24
合計コスト:$0.07 + $0.24 = $0.32
AI・DX推進で活用できる助成金について
近年、日本政府はAI活用やDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進に力を入れており、多くの助成金制度が整備されています。
特に、業務の自動化やAI活用を推進する企業向けに、各自治体で行っている助成金やDX補助金など各種助成金が活用できる可能性があります。
トライムでは、 助成金の活用支援からAI導入・DX推進のコンサルティングまで一貫してサポートが可能です。
トライムでは、75%以上助成される企業研修も提供しています
- AI活用研修(ChatGPT・Copilot365・Claude・Gemini など)
- DX推進研修(業務自動化・デジタルツールの活用)
- 情報セキュリティ研修(サイバー攻撃対策・社員向けリスクマネジメント)
企業の業務効率化やDX化を支援する研修カリキュラムをご用意していますので、「自社でAIを活用したいけど、何から始めればいいかわからない…」 とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください!
Zapierでメール返信を自動化のまとめ
今回のZapier自動化ワークフローでは、以下を実現しました。
- 手作業の削減:メール対応の自動化で工数を削減
- 情報の一元管理:Google Sheetsにデータを保存し、履歴を管理
- チーム連携の強化:Slack通知により、即座に共有・確認が可能
また、ChatGPTの代わりにCopilot365やClaude、Geminiを利用することも可能です。各企業の環境に合わせて、最適なAIを活用することで、さらなる業務効率化を実現できます。今回ご紹介は割愛いたしましたが、ChatGPT側のAPI連携などの処理もございますが、それも含めても1日あれば設定できる内容です。
本記事を参考に、Zapierを使って自社の業務を自動化してみませんか?メールの返信に時間を取られず、本来の業務に集中したい方は、ぜひ試してみてください!
導入サポートやカスタマイズのご相談も受け付けています!お気軽にお問い合わせください!